[3-P2-P125] 急速上顎拡大が鼻閉感に与える影響の臨床学的検討

Author: 〇中村 千織1,2、末光 正昌3、田口 千恵子4、中山 光子3、久山 佳代3
Affiliation: 1日大 院松戸 口腔病理、2医療法人社団千旺会 ちおり歯科、3日大松戸歯 病理、4日大松戸歯 衛生
Abstract: “【緒言】近年,歯列不正を主訴として矯正治療を希望される患者に急速上顎拡大(Rapid Maxillary Expansion:以下RME)が使用される症例が増えてきている。RMEは、上顎骨の縫合の離開により骨格の形態を改善させる目的で使用される。また,矯正治療を希望される患者の中には通年での鼻閉感やいびきを気にされている患者も多く,RMEによる骨格形態の変化に伴い,それらや種々の機能改善が生じるとされる。鼻腔通気度検査は矯正治療における機能分析の1つで、鼻腔通気度を客観的に評価することができる。そこで、本研究の目的は,RMEによって生じる鼻閉感の変化を鼻腔通気度とアンケート調査で評価し、相互関係を明らかにすることである。【対象および方法】対象は、RMEを用いた矯正治療を行った患者20人(平均年齢7.7歳)である。RMEには、hyrax7~12mm(DENTAURUM社,ドイツ)を用い、一定のスピード(1日1回転;90度の回転で0.2 mm拡大)で拡大した。「拡大終了」はこの装置が全て回しきった状態とした。測定時期は、治療開始時と拡大終了時とし、鼻腔通気度(HI-801 ,チェスト株式会社、東京)とアンケート調査を行った。【結果】鼻腔通気度の100IN、100EXの平均値は治療開始時から拡大と共に変化を認めた。アンケート調査では治療開始時に鼻閉感やいびきなどの症状がある患者において、早い段階での症状改善の自覚が認められた。【今後の展望】RMEによる治療の直後から鼻腔通気や呼吸・睡眠について患者が自覚可能な効果を得られる場合がある。鼻閉感は,鼻腔通気度の値と概ね一致する傾向にある。臨床にて、RMEによる形態変化のみならず鼻腔通気度が改善される症例が多く見受けられ、今後は本研究を通して,長期的な経過を臨床学的に検討し,鼻腔や口腔の状態やそれらの関係性を明らかにする予定である。”

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