[3-P2-P126] レニン-アンジオテンシン系が歯周病菌由来LPSによる心筋線維化に及ぼす影響

Author: 〇清本 賢一1、吹田 憲治2、大貫 芳樹2、松尾 一朗1、角田 通則1、森井 彰仲1、伊藤 愛子3、石川 美紗緒4、奥村 敏2、五味 一博1
Affiliation: 1鶴大 歯 歯周病、2鶴大 歯 生理、3鶴大 歯 矯正、4鶴大 歯 解剖
Abstract: “【目的】レニン-アンジオテンシン系 (RAS) の慢性的な活性化は心筋線維化、それに伴う心機能低下を誘発することが示されており、RASの活性化を抑制するACE (Angiotensin Converting Enzyme) 阻害薬であるカプトプリル (Cap) は、心疾患治療薬として広く使用されている。一方、歯周病の進行による慢性的なストレスが交感神経系を刺激し、RASを活性化することが臨床研究で示されている。これらの背景から歯周病がRASを刺激することによって心筋線維化が引き起こされ、心機能が低下するという仮説を立てた。本研究ではPorphyromonas gingivalis (PG) 由来リポポリサッカライド (PG-LPS) をマウスに少量持続投与することにより歯周病モデルマウスを作製し、Capを併用投与することによって仮説の検討を行った。【方法】雄性マウス (C57BL6/J, 12週齢) を用いてPBS投与群(Control群)、PG-LPS投与群 (0.8mg/kg/day, ip)、Cap 投与群 (0.1mg/ml 飲水投与)、PG-LPS+Cap投与群を作成した。実験開始一週後に心エコーにて心機能(左室駆出率、左室内径短縮率)を測定した。その後、心筋線維化領域をMasson-Trichrome染色を用いて定量的に評価した。【結果】1)左室駆出率及び左室内径短縮率はPG-LPS投与群ではControl群に比較して有意に低下したが、Cap併用投与群ではその効果は有意に抑制された。2) 心筋線維化領域はPG-LPS投与群ではControl群に比較して有意に増加した(Control (n=6) vs. PG-LPS (n=7): 0.67 ± 0.16 vs. 2.0 ± 0.55 %, P<0.001)が、Cap併用投与群の線維化は有意に抑制された(0.84 ± 0.21% vs. PG-LPS, P<0.05, n=6)。【結論】歯周病に起因する心筋線維化においてRASの重要性が示唆された。”

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