[2-P1-P04] イミキモドが誘導する炎症性サイトカインおよびインターフェロンβ (IFN-β) 産生におけるザイモザンのプライミング効果

Author: 〇玉井 利代子、清浦 有祐
Affiliation: 奥羽大 歯 口腔病態解析制御
Abstract: “【目的】我々は、以前、Candida albicans 加熱死菌の前処理による、TLR2 または TLR4 リガンド誘導炎症性サイトカイン産生の増加を報告した。本研究では、マウスマクロファージ様細胞 J774.1 によるイミキモド誘導炎症性サイトカインおよびインターフェロンβ (IFN-β) 産生におけるザイモザンのプライミング効果について検討した。
【方法】ザイモザンは、Saccharomyces cerevisiae の細胞壁から抽出したものを供試した。J774.1 細胞は、10%ウシ血清含有 RPMI1640 培地を用いて、5%CO2, 37℃で継代培養後、96穴平底マイクロプレートに1穴あたり2×105 個播種した。一晩培養後3回細胞を洗い、同細胞を 0.1-10 μg/ml ザイモザン、カードランまたは Pam3CSK4 含有または不含の培地で24時間前培養後、3回細胞を洗ってからイミキモドまたは poly(I:C) を含んだ培地で24時間インキュベーションした。そして、上清を回収後、 ELISA で IL-6, MCP-1, TNF-α および IFN-β の産生を定量した。
【結果と考察】(1) ザイモザンによる J774.1 細胞の前処理は、同細胞のイミキモド誘導 IL-6, MCP-1, TNF-α 産生を濃度依存的に増加したが、カードランによる前処理では同サイトカイン産生増加はみられなかった。(2) ザイモザンまたはカードランによる J774.1 細胞の前処理は、同細胞のイミキモド誘導 IFN-β 産生を濃度依存的に抑制した。また、TLR2リガンド Pam3CSK4 による前処理でも同様の結果だった。(3) ザイモザンまたはカードランによる前処理は、J774.1 細胞による poly(I:C) 誘導 IL-6, MCP-1, TNF-α および IFN-β 産生を増加した。以上の結果は、 TLR2 および dectin-1 リガンドであるザイモザンは、TLR2 を介してイミキモド誘導炎症性サイトカイン産生を増加する一方で、 TLR2 または dectin-1 経路を介してイミキモド誘導 IFN-β 産生の低下を引き起こす可能性を示唆する。”

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