[2-P1-P06] Prevotella intermediaoxyR変異株解析による酸化ストレス耐性と宿主細胞侵入における影響

Author: 〇内藤 真理子、庄子 幹郎
Affiliation: 長崎大学 医歯薬学総合研究科 口腔病原微生物学分野
Abstract: “【目的】これまで全く解明されてない歯周病原菌Prevotella intermedia の口腔環境への適応と病原性について分子生物学的な解明を試みた。
【材料と方法】これまでに我々のグループがcomplete whole genome配列を決定したP. intermedia OMA14株から遺伝子特異変異株の作成を試みた。本菌は酸素ストレス応答に関与する調節因子oxyR遺伝子を保有する。そこで接合伝達によるシャトルプラスミドの導入条件を検討、調節因子oxyR遺伝子をエリスロマイシン耐性遺伝子ermFに置き換えた遺伝子変異株の作成を試みた。得られたoxyR変異株のヒト細胞への侵入性、酸素ストレス耐性を調べた。また遺伝子発現をRNAseq, Q-PCRにて野生株と比較した。
【結果と考察】P. intermediaで、最初の遺伝子特異変異株であるoxyR変異株の作成に成功した。RNAseqにて作成した変異株ではoxyR遺伝子の下流の遺伝子の発現には影響がないことを確認した。作成した変異株から、この細菌の宿主細胞への侵入にはoxyR遺伝子が関わるといったことが明らかになった。またoxyR変異株は過酸化水素水と好気条件下での酸化ストレスにより顕著な生育能の減少を示した。さらにQ-PCR解析により、oxyR変異株ではalkylhydroperoxide reductaseシステムの遺伝子群(ahpC、ahpF)、dps遺伝子などの複数の遺伝子発現が著しく減少していることを見出した。今後は、本研究で確立した手法を用いて、P. intermediaの病原因子と感染機構を詳細に解析する予定です。
(会員外共同研究者, B. Ross Belvin, Qin Gui, Janina P. Lewis)”

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