[2-P1-P07] 太陽電池を接続した酸化チタン半導体の殺菌効果と細胞傷害性

Author: 〇佐藤 武則1、浜田 信城2、半田 慶介1
Affiliation: 1神歯大 院歯 口腔生化、2神歯大 院歯 口腔細菌
Abstract: “【目的】酸化チタン (TiO2) は化学的安定性と生体親和性をもち, 光触媒機能により優れた殺菌効果を示すことが知られている. 本研究では太陽電池パネルと接続した TiO2 半導体の口腔細菌に対する殺菌効果とヒト歯肉線維芽細胞への細胞傷害性について検討した. 【方法】供試菌は Streptococcus mutansPorphyromonas gingivalis を 18 時間嫌気培養して用いた. 太陽電池パネルと接続した TiO2 半導体をプラスチック製チューブ内で培養した供試菌液 2 ml に直接作用させ, 昼光色の蛍光灯 (6 W) を 7 cm の距離から 60 分間照射した. 照射開始から各供試菌液を経時的に回収後, 菌体内のアデノシン三リン酸活性をルミノメーターで測定し生菌数を観察することで殺菌効果を評価した. また 96 ウェルプラスチック製プレートに培養したヒト歯肉線維芽細胞に対して太陽電池パネルと接続した TiO2 半導体を作用させ, 経時的に培養液を回収し培地中の乳酸脱水素酵素活性を測定して細胞傷害性を評価した。【結果と考察】S. mutansP. gingivalis に対しては時間依存的に殺菌効果を示すとともに、太陽電池数の増加により効果の増大が認められた. またヒト歯肉線維芽細胞の生存率は太陽電池数の増加と作用時間の延長により軽微な低下を示したが, 顕著な傷害作用は認められなかった. 以上の結果から太陽電池を接続した TiO2 半導体は口腔内細菌の効果的な除去に大きく貢献し, う蝕や歯周病予防に有用であると示唆された.”

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