[2-P1-P12] Porphyromonas gulae LPS 誘発炎症反応における緑茶ポリフェノールの抗炎症作用

Author: 〇稲葉 裕明、吉田 翔、仲野 道代
Affiliation: 岡大 院医歯薬 小児歯
Abstract: 【目的】動物由来歯周病菌Porphyromonas gulaeは,Porphyromonas属の新種として発見された.犬などの伴侶動物からだけでなく,伴侶動物を飼育するヒトの歯周病変部位からも検出される.これまでに我々はP. gulaeはlipopolysaccharide(LPS)の存在を証明し,歯肉上皮細胞に発現するTLR2/4にP. gulae LPSが認識され,p38とERK1/2のリン酸化を介してCOX2,TNF-α,IL-6ならびにIL-8の産生が誘導されることを報告した.天然食品由来の安全な歯周病予防素材を探索するため,今回,緑茶由来ポリフェノールがP. gulae LPSに刺激された歯肉上皮細胞に及ぼす抗炎症作用を評価した.【方法】LPSはP. gulae DO49株からLPS extraction kitを用いて精製した.ポリフェノール試料として緑茶由来EGCg,EGC,ECG,ECを用いた.ヒト歯肉上皮細胞株 Ca9-22細胞にP. gulae LPSと共に緑茶由来ポリフェノール群を添加し,p38とERK1/2のリン酸化,炎症反応ならびにTLR2/4の発現に及ぼす影響を観察した.【結果】EGCg,EGC,ECは1-50 μMの濃度で炎症反応を抑制した.一方で、ECGは25-50 μMの濃度でのみ炎症反応を抑制した.さらに緑茶由来ポリフェノール群はp38とERK1/2のリン酸化ならびにTLR2/4の発現を抑制した.【考察】EGCg,EGC,ECG,ECのいずれもがP. gulae LPSによる炎症反応を抑制することが認められた.さらに,緑茶由来ポリフェノール群はTLR2/4の拮抗薬としてLPSが誘発する炎症を抑制する可能性が示唆された.会員外共同研究者:大阪大学大学院歯学研究科小児歯科学分野 野村良太,仲野和彦【利益相反】利益相反状態にはありません.

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