[2-P1-P13] 総義歯プラークモデルを用いた義歯洗浄剤の有効性評価

Author: 〇濱田 昌子、五味 満裕
Affiliation: 小林製薬(株) 中央研究所
Abstract: 義歯プラークの洗浄は口臭抑制のみならず口腔の健康維持に不可欠である。演者らはこれまでに、次世代シーケンサーを用いた義歯プラークの詳細な解析により、Streptococcus 属、Actinomyces 属、Veillonella 属、Rothia 属が細菌全体の約60%を占め、真菌の優占種がCandida albicansであることを明らかとしている。本研究では、得られた知見を元に総義歯プラークモデルを構築し、義歯洗浄剤の有効性評価を行った。総義歯と同一の材質であるレジンチップをヒト唾液とスクロースを添加したブレイン・ハート・インフュージョン液体培地に浸漬し、プラークの優占細菌4種とC. albicansを接種して、嫌気条件下にて、37℃、24時間培養を行った。得られたプラークモデルを、義歯洗浄剤存在下又は非存在下にて37℃、30分間洗浄した。洗浄後、プラークモデルの生菌数測定及びレジンからのプラークモデルの剥離し易さの評価を行った。その結果、義歯洗浄剤による洗浄でプラークモデルの微生物が4log以上減少し、プラークモデルがレジンから剥離し易くなることが明らかとなった。続いて、洗浄後のプラークモデルをLIVE/DEAD Bacterial Viability Kitにて染色し、共焦点レーザー顕微鏡にて観察した。その結果、義歯洗浄剤による洗浄でプラークモデル中の大部分の微生物が膜損傷を受けることが明らかとなった。以上の結果から、義歯洗浄剤による洗浄には、プラーク内の微生物を減少させる効果に加え、プラークを剥離し易くする効果があることが示唆された。【利益相反】利益相反状態にはありません。

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