[2-P1-P14] 深層学習による歯周炎・インプラント周囲炎の識別方法の検討

Author: 〇渡辺 孝康1、芝 多佳彦2、中野 善夫1
Affiliation: 1日大 歯 化、2医科歯科大 院医歯 歯周病
Abstract: 細菌叢を構成している多様な細菌のバランスの乱れはディスバイオーシスと呼ばれ,次世代高速シーケンサーによるビッグデータ取得技術の発展とともに,ディスバイオーシスを疾患の病因として捉える考え方が近年広がってきている。しかし,細菌叢の構成には個人差が大きく,これを簡便に比較することは難しい。一方,画像認識や検索エンジンの高速化など,多方面で人工知能技術が応用されつつあるが,医療面での応用は発展途上である。本研究では,細菌の獲得免疫機能を担うclustered regularly interspaced short palindromic repeat (CRISPR) に着目し,人工知能技術の一つである深層学習によって,歯周炎・インプラント周囲炎の識別方法を検討した。歯周炎の患者6名およびインプラント周囲炎の患者4名について,メタゲノムデータからCRISPRを抽出し,CRISPRの部分配列であるスペーサーの種類を患者間で比較した。その結果,スペーサー保有パターンは疾患の種類によらず患者ごとに特有であるとみられた。これを階層クラスタリングならびに主成分分析にて比較したところ,いずれの手法でも疾患ごとの明確なクラスターは認められず,従来法では疾患の分類が困難なことがわかった。ここで深層学習を適用した結果,最大で90%の正解率にて疾患の識別がなされた。以上から,患者ごとの特異性が高く直感的な識別が困難なCRISPR情報に対して,深層学習を適用することで高精度に疾患の識別ができ得ることが示された。

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