Author: 〇田村-辻 潔美、佐藤 真理、田村 正人
Affiliation: 北大・院歯 口腔分子生化
Abstract: 背景・目的】我々は、アミノ酸の一種であるグリシンが、ゼブラフィッシュの血管発生において、用量依存的な二相性効果を示すことを報告している(BBRC, 2020, vol. 527, p. 539-544)。低用量グリシンは、血管新生因子として働き、一方、高用量グリシンは抗血管新生に作用する。本研究では、このグリシンの二相性効果における、PI3K/Akt/mTORシグナルの役割を解析した。【方法】血管特異的に蛍光蛋白質を発現するゼブラフィッシュの胚を、低・高用量のグリシンに暴露し、さらにPI3K阻害剤(LY29400)、Akt阻害剤(Akt inhibitor)、mTOR阻害剤(rapamycin、everolimus、KU0063794)を投与後、血管発生への影響を観察した。【結果】各阻害剤は、低用量グリシンの血管形成促進効果を抑制する一方、高用量グリシンの血管形成抑制効果を増強させた。また、血管新生に関与するVEGFとNOSの発現変化は、グリシンとmTOR阻害剤による血管作用に一致していた。【考察】血管形成におけるグリシンの用量依存的二相性効果に、PI3K/Akt/mTORシグナルが関与することが示された。mTORシグナルは癌血管新生治療の標的として知られている。mTOR阻害剤とグリシンを組み合わせることで、より強力な抗血管新生効果が得られる可能性がある。(BBRC, 2020, vol. 529, p. 596-602)【会員外共同研究者】藤田深里(神奈川大学)【利益相反】利益相反状態にはありません。![]()
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