[3-P1-P79] ヒト茸状乳頭味蕾細胞におけるうま味受容体TAS1R1遺伝子のプロモーター領域の解析

Author: 〇豊野 孝、松山 佳永、片岡 真司、瀬田 祐司
Affiliation: 九歯大 健康増進 解剖
Abstract: “ヒト味蕾細胞におけるうま味受容体TAS1R1遺伝子の転写調節機構は、ほとんど明らかになっていない。そこで本研究では、ヒト初代茸状乳頭味蕾細胞を用いてTAS1R1遺伝子の転写開始点の決定およびプロモーター領域の解析を行った。
 5′-RACE (5′-rapid amplification of cDNA ends)法により得られた18クローンの転写開始点を解析した。その結果、TAS1R1遺伝子のエクソン1の開始コドン上流35bp,37bp,57bp, 61bp, 65bpおよび67bpの6カ所に転写開始点を同定した。この中において開始コドン上流37bpが主要な転写開始点で、6クローンにおいて認められた。その転写開始点近傍およびその下流には、転写活性化に関わるイニシエーターおよび下流プロモーター配列と相同性が高い配列が認められた。TAS1R1遺伝子の開始コドン上流343bpにおけるレポーターアッセイによるプロモーター領域の検索の結果、開始コドン上流201bpの領域が、プロモーター領域として認められた。本領域中には、Sp/KLFファミリーに属する転写因子が結合するGT box (CCCACCC)が存在し、ヒト以外の多くの動物種においてもその配列が保存されていた。そこで、GT boxに変異を導入したレポータープラスミドを作成し、レポーターアッセイを行った結果、レポーター活性の低下が認められた。以上の結果から、開始コドン上流201bpのヒトTAS1R1遺伝子のプロモーター領域において、GT boxが転写の活性化に重要な役割を果たしていることが推測された。”

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