[3-P1-P93] 液状飼料飼育が成長期ラット耳下腺内の神経組織発育に及ぼす影響について

Author: 〇高橋 茂、山本 恒之
Affiliation: 北大 院歯 口腔機能解剖
Abstract: 【目的】これまで演者らは成長期ラットを液状飼料で飼育すると耳下腺の発育が阻害されることを報告してきた。今回さらに耳下腺内の神経組織の発育にどのような影響が及ぶのかについて免疫組織化学的に検討した。【方法】実験にはWistar系雄性ラットを用いた。生後3週で離乳後、対照群の動物には通常の固形飼料、実験群には粉末飼料に水を加えて作製した液状飼料を0~8週間与えた。実験期間が終了した動物から耳下腺を摘出し、クリオスタットを用いて凍結切片を作製した。切片には末梢神経のマーカーとして抗protein gene product 9.5(PGP9.5)抗体、交感神経のマーカーとして抗tyrosine hydroxylase(TH)抗体、副交感神経のマーカーとして抗neuronal nitric oxide synthase(nNOS)抗体を用いた免疫染色を行い、光顕的に観察した。【結果と考察】離乳時(0週)においては腺小葉内のPGP9.5とnNOSに対する反応は少なく、その多くは散在する点状の反応として観察された。一方、TH陽性反応は腺房周囲に比較的多く認められた。対照群の耳下腺ではいずれの抗体に対しても陽性反応が経時的に増加し、4週以降では腺房周囲に線状として認められるものが多くなった。実験群ではTHに対する反応は各期間とも対照群とほぼ同様であったが、PGP9.5およびnNOSに対する反応はいずれの期間においても対照群より少なく、特にnNOSにおいてその傾向は強く認められた。以上の結果より、成長期における液状飼料飼育は耳下腺内の交感神経の発育にはほとんど影響を及ぼさないが、副交感神経の発育には抑制的な影響を与えると考えられた。

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