[3-P1-P098] 骨移植時における微小循環変化と骨形成の形態学的観察

Author: 〇松尾 雅斗、劉 宇豪、松尾 まりあ、東 雅啓
Affiliation: 神奈川歯科大学 口腔解剖学分野
Abstract: “【目的】各種移植材料が歯槽骨再生療法において試みられている。本研究では、生体材料と異種骨の異なる2種類の材料を血管網と歯槽骨の関係に注目し実体顕微鏡および走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。【方法】すべての動物実験は,本学動物倫理委員会で審査・承認(16-046)された後,指針を遵守して行った。雌ビーグル犬6頭の両側下顎小臼歯を抜歯し、右側の歯槽窩には、炭酸アパタイト顆粒(CO3Ap: Cytrans granule, GC, Japan)を充填し、上部をL-lactide-ε caprolactone copolymer membrane (Cytrans elashield, GC, Japan)で被覆した。左側にはウシ由来脱灰乾燥骨(DBBM: Bio-Oss, Geistlich, Switzerland)を移植し、上部を豚由来コラーゲン膜(Bio-Gide , Geistlich, Switzerland)で被覆した。術後14日、30日、90日後に、灌流固定を行い、血管合成樹脂を下歯槽動脈から注入した。ここで得られた血管鋳型標本は実体顕微鏡とSEMで観察した。【結果と考察】術後14日目、両群とも顆粒は抜歯窩内に密に残存していた。 そして既存歯槽骨方向より新生血管が、顆粒隙間に伸展していた。術後30日目には、新生血管は骨中に埋没する形で骨添加が進んでいた。抜歯窩中央部の骨形成は、CO3Ap群の方がDBBM群よりも進行していた。抜歯90日後、両群とも緻密な骨が再生された。同時に骨髄腔が形成され骨髄血管のネットワークが形成されていた。またGBRにより歯槽骨縁の高さは両群ともに維持されていた。今回の研究結果からCO3Ap、DBBMどちらの材料も足場として骨再生に有効であることがわかった。今後、動物由来の材料と化学合成された材料のどちらが歯科臨床にとって有益なのかの判断が必要であることが示唆された。”

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